2.現在の相場の位置は、幸福ゾーンへ
「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」という
ジョン・テンプルトンの有名な相場です。
11月20日現在の相場がどの悲観・懐疑・楽観・幸福感のどの位置にあるかですが、
幸福に突入した考えてます。
その根拠ですが、11月20日現在では信用取引の売り残は減少して買い残は上昇して来ました。
相場が上がると思えばこその信用買いです。
現物株を保有している人の「つなぎ売り」も売り残を増やしますが、
相場が楽観から幸福に転換する時には売り残は減少して買い残は増加して行くことになります。
3.信用取引残の確認の仕方
東京・名古屋の二市場の信用取引残高は前週末分が火曜日の夕方に発表となり、
日本経済新聞の水曜日の朝刊で確認出来ます。
さらに松井証券は自社の顧客の信用取引残高を毎日公表しております。
まさにビックデーターで毎日判断出来るので有効なデーター ですが
「松井証券 評価損益率」と検索するだけで見ることが可能です。
信用取引の売り残は、買い方と売り方の買い残・評価損益率を見ることにより判断できます。
松井証券の2013年1月4日からのデーターを見ると評価損益率は買い方は-27.67%~9.49%で
推移し、売り方は、1.84%~-25.92%で推移します。
買い方が上昇すれば売り方が下落し、買い方が下落すれば売り方が上昇する逆相関の関係です。
買い方のピークは、2013年5月14日で日銀の異次元緩和の後で、
9日後の5月23日には急落したバーナンキショックの少し前でした。
売り方のピークは、2016年2月12日で、中国の経済に対する懸念と原油価格の下落で
チャイルショックを呼ばれましたが、まだこの時の強烈な下げは記憶に新しいです。
買い残と売り残の合計が25日前の合計より、+10%以上が過熱圏で、-10%以下が底値圏です。
過去データーから判断すると、11月20日の評価損益率の買い方の-4%台と売り方の-15%台は
相場が一端のピークを天井に付けたことを示します。
11月の初旬には買い方の評価損率は-2%を超えました。
買い残のピークは2013年12月30日で第一次アベノミクス相場が終わりました。
売り残のピークは、2015年5月29日で、ITバブルの高値を抜けた相場はその後下落に
転じて行きました。
この時は高原状態が何日が続いたあとの減少だったので判断しやすかったのではないでしょうか。
買い残のピークは相場のピークを付けた後におとづれる傾向があり、
売り残のピークは相場のピークを付ける前におとづれる傾向があります。
買い残は相場のピークを付けた後にナンピンで買い下がってしまうの増え、
売り残は売り方が投げ始めると減少し、その時に相場がピークを付けるからです。
4.幸福から悲観への転換は、買い残の減少で判断。
相場から売り逃げたいと考えるのであれば相場のピークの前で確認の取れる売り残の
推移を見ておくことが有効です。
売り残の25日前のとの差を横軸に、買い残の25日前のとの差を縦軸においてみると
反時計回りに推移します。11月20日現在の売り残はマイナスに転換しました。
買い残はプラス圏ですが、相場は楽観の領域を22日間で通過しました。
幸福の期間は、2016年12月~1月で20営業日
2017年 3月~4月で22営業日
2017年 7月~8月で24営業日
2017年10月~11月で22営業日
ということで、約1ヶ月で終えることもあることを覚えておくことをお勧めします。
年末までは日柄調整に入ったと判断出来る
アノマリーで行くと12月から1月は高いことが多いですが2016年1月~2月急落しました。
この時は原油価格など商品相場が急落していました。
現在は商品相場も下げていないので相場は日柄調整に入ったと判断出来ます。