森永卓郎氏が主張する
2016年度末(2017年3月末)までに、日本経済は画期的な転機を迎えると見ています。
が話題を集めていました。
要約すると政府や独立行政法人などの純債務は、日銀の保有される国債と相殺されるので、2017年3月までに実質無借金になるという内容でした。2018年3月29日に発表された
国の連結財務諸表から国の実質債務超過を確認すると66兆円の債務超過で前の年より1兆円減りました。
日銀が国債を買い続けるという言わば、お札を刷り続けることによる財政ファイナンスだけで無借金になるという夢のようなお話です。
(財政法5条を回避しているので日銀は財政ファイナンスをしているとは公には認めません。)
夢のようなお話ですが、落とし穴はないのでしょうか?落とし穴はあると考えます。
純債務の額より日銀保有の国債の額が上回れば実質無借金という指摘はいいとして、
問題は日銀保有の国債の額です。2016年11月18日に発表された平成26年度決算検査報告の中でも指摘されてた日銀の保有する国債の評価損が既に10兆円を超えています。
仮にインフレになれば長期金利が上昇して、すなわち国債の価格は下落して評価損はさらに拡大して行きます。最終的には日銀が債務超過になるなどして、ハイパーインフレを招く懸念があります。
GDP成長率を3%にしても財務省の資料では色々提言されています。
現時点の日本の潜在成長率を超える成長率になりますので、インフレになります。
ハイパーインフレについてはゼロ金利が導入されて以降、もう何年間も懸念されていますが、この話をすると狼少年になってしまいそうです。
インフレになるかどうかについてですが日本の期待インフレ率は、2014年後半の原油価格急落より前のレベルにまで回復しているアメリカの期待インフレ率と違い横ばいのままです。
経常収支も38ヶ月連続の黒字であり、国民経済の貯金とも言える外貨準備高は必要とされる輸入代金の3ヶ月分を大きく上回る約2年分を保有し続けています。
このままの状態が続けば、日本は夢からまだ覚めないです。
失われた100年くらいになるのでしょうか。
日本の覚めない夢ですが、先進国で一番の自殺率や6人に1人の子供の貧困などあまり楽しい夢ではありません。
夢を楽しくしてインフレにならず成長率を上げて財政を健全化するのは、潜在成長率を上げるしかありません。
潜在成長率は「資本」「生産性」「労働力」の3つの要素からなるので、「労働力」の向上に着目した
「自動化による省人化」「女性の活躍」などをキーワードに今後の研究課題にしたいと思います。
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