2016年12月12日月曜日

懐疑から楽観への転換点を事前に決めておく

1.相場は上昇中、大事なのは何を見て判断しておくのか事前に決めておくこと。

週明け12日午前の東京市場では、トランプ次期米大統領の政策に対する期待を背景とした前週末の海外株高などの流れを引き継ぎ、円安・株高が一段と進んだ。
外国為替市場の円相場は、米長期金利上昇を受けた円売り・ドル買いで約10カ月ぶりに1ドル=115円台に下落。
株式市場は上伸し、日経平均株価は一時1万9273円と、取引時間中としては約1年ぶりの高値を付けております。

11月9日のアメリカ大統領以降、日本の株式市場はトランプラリーと言われ上昇を続けています。
年末は、個人投資家にとっては特定口座の源泉徴収された税金を還付する為に塩漬け株を損切りをするかどうかを判断するなど悩ましい季節でもあります。
来年まで相場は好調であれば通常は株を枕に年を越えられますが、今回のトランプラリーは賞味期限が大統領就任の1月20日までなどどいう意見が大半です。
足下の上昇相場でも、年明けまで継続するかどうか難しい判断を迫られます。
FXなどでは、新規ポジション取る前に予めロスカットポイントを決めておくことが重要ですが、これはいざ動いた時になってからの判断は遅れることが多く ロスカットが遅れ損失を大きくしてしまうからです。
理想的には相場がピークをつける前に売り逃げたいですが、今回のトランプラリーの転換点を何を見て判断するのか事前に決めておきましょう。

2.現在の相場の位置は、懐疑

「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」というジョン・テンプルトンの有名な相場です。
12月12日現在の相場がどの悲観・懐疑・楽観・幸福感のどの位置にあるかですが、懐疑にある考えてます。
その根拠ですが、12月9日現在では信用取引の売り残が5日連続で上昇中で金額が最高圏で上昇中だからです。
相場が上がると思えば信用売りはしないので、相場が下がると懐疑的な人がまだまだ多いからだと判断出来ます。
現物株を保有している人の「つなぎ売り」も売り残を増やします。
相場が懐疑から楽観に転換する時には売り残が減少して買い残は増えて行くことになります。
3.信用取引残の確認の仕方

東京・名古屋の二市場の信用取引残高は前週末分が火曜日の夕方に発表となり、日本経済新聞の水曜日の朝刊で確認出来ます。
さらに松井証券は自社の顧客の信用取引残高を毎日公表しております。まさにビックデーターで毎日判断出来るので有効なデーター ですが「松井証券 評価損益率」と検索するだけで見ることが可能です。

信用取引の売り残は、買い方と売り方の買い残・評価損益率を見ることにより判断できます。
松井証券の2013年1月4日からのデーターを見ると評価損益率は買い方は-27.67%~9.49%で推移し、売り方は、1.84%~-25.92%で推移します。
買い方が上昇すれば売りからが下落し、買い方が下落すれば売り方が上昇する逆相関の関係です。
買い方のピークは、2013年5月14日で日銀の異次元緩和の後で、9日後の5月23日には急落したバーナンキショックの少し前でした。
売り方のピークは、2016年2月12日で、中国の経済に対する懸念と原油価格の下落でチャイルショックを呼ばれましたが、まだこの時の強烈な下げは記憶に新しいです。

過去データーから判断すると、12月9日の評価損益率の買い方の-4.85%と売り方の-13.99%はまだ相場に上値の余地があることを示しています。
買い残のピークは2013年12月30日で第一次アベノミクス相場が終わりました。
売り残のピークは、2015年5月29日で、ITバブルの高値を抜けた相場はその後下落に転じて行きました。
この時は高原状態が何日が続いたあとの減少だったので判断しやすかったのではないでしょうか。
買い残のピークは相場のピークを付けた後におとづれる傾向があり、売り残のピークは相場のピークを付ける前におとづれる傾向があります。
買い残は相場のピークを付けた後にナンピンで買い下がってしまうの増え、売り残は売り方が投げ始めると減少し、その時に相場が付けるからです。
4.懐疑から楽観への転換は、売り残の減少で判断。

相場から売り逃げたいと考えるのであれば相場のピークの前で確認の取れる売り残の推移を見ておくことが有効です。
12月9日現在の売り残は最高圏で増え続けており、相場は「懐疑の中で育ち」の状態と考えます。
しかしながら既に最高圏でもありますので、あまり楽観せずに売り残の動向を見ておくことをお勧めします。
大きな上ヒゲを付けた日に、売り残が減少していたりするれば要警戒です。それは今日だったかも知れません。
加えて5日連続減少なども、要警戒かと思います。
売り残のチェックは毎日「松井証券 評価損益率」と検索するだけで、簡単ですので是非お試し下さい。

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