今朝の日経新聞に銀行株が日本株の出遅れの要因であるという
記事が気になりました。
確かにアベノクス相場では銀行株のパフォーマンスが相場全体の
トレンドと一致しているようです。
銀行の収益環境ですが長期金利と短期金利のイールドカーブで
判断出来ます。アメリカも日本も長期金利は低水準で留まっています。
物価上昇 → 長期金利 という流れが年後半に確認出来れば
相場も上昇して行くと思います。
(以下7月16日日経新聞転載)
銀行株への見直し機運が高まっている。米金融機関の決算発表が本格化し、14日はシティグループの決算が米株式市場に前向きのサプライズを与えた。この流れを受けて15日の東京市場でも金融株が軒並み買われた。相場全体の中で相対的に存在感が低下してきたが、時価総額はなお東証1部の1割を占める。日本でも銀行株が復活すれば、株式市場全体が活況を取り戻す契機になる。
15日の日経平均株価は続伸した。きっかけは前日にシティグループが発表した4~6月期決算だ。不振が予測されたトレーディング収入が15%減にとどまり、個人や企業を相手にする銀行業務も金利収入が増加。悪くない結果と受け止められ、14日のシティ株は3%上昇し、ダウ工業株30種平均は1%上昇した。
ダウ平均が1万7000ドルを上回る米市場に比べ、日本株は上値が重い。TS倍率という指標を見ると、日本株の出遅れは鮮明だ。
TS倍率は米スタンダード・アンド・プアーズ500種(S&P500)株価指数に対する東証株価指数(TOPIX)の倍率を示し、この値が低いほど日本株が米国株に出遅れていると判断できる。年初には0・7倍台だったが、14日時点で0・64倍。東京海上アセットマネジメントの久保健一氏は「銀行株が上がればTS倍率が改善するきっかけになる」と指摘する。
TOPIXに占める銀行株のウエートは約1割。電機などと比べて時価総額の比率は減少傾向にあるが、今なお主要セクターの位置を占める。相場全体への影響は大きく、実際に三菱UFJ株の値動きにTS倍率の値動きを重ねると、連動性の高さが分かる。
銀行株が上昇に向かう条件として、久保氏は預貸率の上昇と貸し出しの利ざや拡大を挙げる。全国銀行協会によると、直近の預貸率は全国の銀行平均で60%台にとどまる。利ざやの改善につながる長短金利差は過去最低の水準だ。決して楽な経営環境ではない。
しかし、市場からは銀行株に強気の声が聞こえるようになった。
「今年度半ばから、銀行セクターは強気」とメリルリンチ日本証券の大槻奈那アナリストは予測する。根拠としてメガバンクが争って関与しようとしている企業のM&A(合併・買収)や海外貸し出しなどを指摘する。
日本企業はグローバル競争に乗り遅れまいと海外での拠点開設や増産投資に取り組む。この勢いに乗ろうとするのが邦銀各行。ソフトバンクへの買収資金融資など、利ざやを稼げる案件を開拓しようと懸命だ。
シティの決算に株価が素直に反応したのも、市場が本業の改善に注目したからに他ならない。今月末に発表になるメガバンクの4~6月期決算で、本業の改善を示唆するサプライズな要素があれば、銀行株が出直るきっかけになりえる。
米金融大手ゴールドマン・サックスは14日、「株価は一段高が見込まれる」として、S&P500種の今年末の目標水準を従来の1900から2050に引き上げた。日本株がこれ以上、出遅れないためには銀行株の復活が重要な条件となる。(沢田和人)
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