企業物価指数は景気を反映する
日本銀行が発表する国内企業物価指数とは、企業間で売買する物品の価格水準を数値化したものです。一般的には消費者物価指数より卸売である企業物価指数の方が景気を反映させることが早いと言われています。輸出物価から輸入物価の差は長期の下落トレンド
日経平均株価との比較では国内物価指数が上昇している時の方が株価も高くなる傾向があります。特に輸出指数から輸入指数を引いた差が大きい時のほうが輸出企業の収益を引き上げ平均株価の上昇します。1988年から2014年まで輸出物価から輸入物価の差は長期の下落トレンドとなっておりました。2014年からの反転が長期トレンドとしての転換として確認できればデフレ脱却宣言になるかと思います。11月以降の円安トレンドが1月に入り一服しているようなので慎重に見ておく必要があります。輸出企業にとって良い事業環境
年平均の物価指数を確認すると2016年は2年連続で前年よりマイナスでありましたが、輸出指数から輸入指数を引いた差が2年連続で上昇して6年ぶりにプラスに転じました。輸出企業にとって良い事業環境になって来ているようです。ドル円レートの影響がかなり大きいです。企業物価指数の上昇ピッチが早くなってきている
消費者物価指数であるCPIとの比較ですと、CPIが上昇せずに国内企業物価指数だけが上昇するときは企業がコストを価格に転化出来ずに収益が低下しますが、1月よりCPIの方が優位で推移していましたが、9月頃からCPIに対して企業物価指数の上昇ピッチが早くなってきているので注意しておく必要があります。中小企業省が大企業に対して、下請け業者の値上げ申請を受け入れるよう指導しているので最終消費のCPIにも値上げが行き渡るようになっているかも知れません。出光興産が有望
品目別では、国内物価指数・輸出物価指数がプラスで輸入物価がマイナスになればマージンが増えることになります。・石油・石炭製品の中の軽油・灯油が国内物価指数・輸出物価指数が上昇して且つ、原料である
原油の輸入物価が下落しております。
・化学製品のスチレンモノマーが国内物価指数・輸出物価指数が上昇しております。
軽油・灯油の精製とスチレンモノマーの両方を取り扱っている企業として出光興産(5019)が上げられます。2014年後半の原油安より赤字決算が続いていますが、原油も大底を打った形で、株価も高値をとって上昇中で順張りに良い状況かと思います。
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