倒産件数が8,446件 8年連続で前年を下回り1990年以来の低水準で負債金額は前年比を下回っています。要因のひとつに金融機関が中小の企業のリスケに要請に積極的に対応していることが上げられていますが、日銀短観2016年12月調査でも資金繰りが1990年の水準であることからも価確認できます。
倒産全体では負債1億円未満の構成比が71.9%(6,074件)を占め、小規模倒産が大半で中小企業の苦境も垣間見えます。大企業と中小企業との経営状況については日銀短観2016年12月調査で確認することが出来ますが、現状判断も売上高経常推移も大企業と比較すると苦しい内容です。
大企業と中小企業と差が悪い方向へ拡大しているのが雇用人員判断で中小企業は最近が-24で先行きが-27と大企業の最近が-13で先行きが-13、中堅企業の最近が-23で先行きが-23と比較してもかなり深刻なことが示されています。平成27年度(2015年度)の中小企業の動向の中の人件費の分析(人手不足)でも一人当たり賃金の改定率は中小企業の方が高く推移しておりコスト高のよる経営の圧迫要因となっており人件費高騰による倒産も確認されるようになっています。
全国企業倒産と同じ1月13日に「人手不足」関連倒産(12月)も発表されております。
求人数が就職者を下回る求人倍率が1を超えた2013年以降のデータでは、
人手関連倒産全体 2013年:263件→2014年:301件→2015年:318件→2016年:304件
後継者難型 2013年:234件→2014年:271件→2015年:279件→2016年:270件
求人難職型 2013年: 11件→2014年: 19件→2015年: 25件→2016年: 17件
従業員退職型 2013年: 11件→2014年: 11件→2015年: 14件→2016年: 17件
全体の90%を占める後継者難型は、休廃業・解散の理由の中でもトップであり急務の対応が必要とされてます。後継者難に対応した事業承継関連銘柄を調べました。
・日本M&A <2127> ・・・需要好調で最高益。中小企業オーナーの高齢化が進み事業承継案件 を中心にM&Aの仲介需要が引き続き好調で最高益の更新が続く。旺盛な仲介需要受けて中途採用を積極化。今期にコンサルタント数が初めて200人を超えています。
・M&Aキャピ <6080> ・・・業界再編や海外に強い独立系の同業レコフとレコフデータを約30億円で買収し連結決算に移行。M&A仲介は中小企業の事業承継案件を中心に需要が旺盛。コンサルタントの増員やレコフとの相乗効果で取り扱い案件を増やす。増収効果で買収に伴うのれん代償却負担をこなし実質増益。
・タナベ経営 <9644> ・・・経営コンサル大手。コンサルと法人向けセールスプロモーションが2本柱。配当性向6割の方針
3銘柄の中では、圧倒的に日本M&Aが知名度がありますが、株価が常に評価されているので押し目を狙いたいです。配当率も考慮するとタナベ経営の方が妙味がありそうです。
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